日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


念仏者追放宣旨御教書事 第4章 宣旨篇(2)


【太政官〔だじょうかん〕の符。五畿内の諸国司、】
(8) 太政官〔だじょうかん〕の公文書。五畿内の諸国司は、

【宜しく専修念仏の興行を停廃し早く隆寛・幸西・】
必ず専修念仏の行為を禁止し、早急に隆寛律師、成覚房・幸西、

【空阿弥陀仏等の遺弟の留まる処に】
空阿弥陀仏などの遺弟の留まる所にあって

【禁法を犯す所の輩を捉〔とら〕へ搦〔から〕むべきの事、】
禁制の法を犯している念仏者たちを逮捕すべきであるとの事は、

【弘仁〔こうにん〕聖代の格条〔きゃくじょう〕眼に在り。】
弘仁〔こうにん〕十年に定められた条文には、眼の前にあるように明白なのです。

【左大臣宣奉勅、宜しく五畿七道に課〔おわ〕せて興行の道を停廃し】
左大臣が天皇の言葉を伝え、必ず五畿七道に命じて念仏を称える行為を禁止し、

【違犯の身を捉へ搦むべし、】
それに違犯する者の身柄を拘束するべきです。

【者〔ていれば〕諸国司承知〔しょうち〕して宣に依って之を行なへ。】
そう言う理由で、国司は、それを承知のうえで、命令に従って、

【符〔ふ〕到らば奉行を致せ。】
太政官の公文書が到着したならば、ただちに実行してください。

【修理右宮〔うきゅう〕城使〔じょうし〕正四位下行右中弁藤原朝臣】
修理右宮〔うきゅう〕城使〔じょうし〕正四位・下行右中弁・藤原朝臣〔あそん〕

【修理東大寺大仏長官】
東大寺の大仏を修理する為に臨時に設置された長官

【正五位下左大史】
正五位・下左大史〔さだいし〕・

【兼〔けん〕備前〔びぜんの〕権介〔ごんのすけ〕小槻宿禰】
兼〔けん〕・備前〔びぜんの〕権介〔ごんのすけ〕・小槻〔おつき〕宿禰〔すくね〕

【専修念仏興行の輩停止すべきの由】
(9) 専修念仏を行う念仏者を止めさせるべきであるとの命令を

【五畿七道に宣下せられ候ひ畢んぬ。且〔か〕つは御存知有るべく候、】
五畿七道に下〔くだ〕されました。それによって御存知になることでしょう。

【者〔ていれば〕綸言〔りんげん〕此くの如し之を悉〔つまび〕らかにせよ。】
そう言う理由で、天皇の御言葉は、このようであり、これを承知されるべきです。

【頼隆〔よりたか〕誠恐〔せいきょう〕頓首〔とんしゅ〕謹言〔きんげん〕。】
源頼隆が頭を下げて、誠に怖れながら、謹んで申し上げます。

【七月十三日】
嘉禄3年7月13日 

【右中弁〔うちゅうべん〕頼隆〔よりたか〕 在判】
右中弁〔うちゅうべん〕・源〔みなもとの〕頼隆〔よりたか〕 在判

【進上 天台座主大僧正御房 政所〔まんどころ〕】
進上 天台座主大僧正御房 事務局

【隆寛。対馬国に改めらるべきの由宣下せられ畢〔おわ〕んぬ。】
(10) 隆寛律師の流罪地は、対馬の国に改められるべきであるとの宣旨が下され、

【其の由御下知〔おんげち〕有るべきの旨仰せ下さるゝ所に候なり。】
そのことを知らせるようにとの旨を仰せ下されました。

【此の趣を以て申し入れしめ給ふべきの状件〔くだん〕の如し。】
この趣旨をもって申し入れさせるべき書状は、以上のとおりです。

【右中弁頼隆 在判】
右中弁・源〔みなもとの〕頼隆〔よりたか〕 在判

【中納言律師御房】
中納言・律師御房へ

【隆寛律師。専修の張本たるに依って山門訴へ申すの間】
(11) 隆寛律師は、専修念仏の張本人であり、延暦寺より訴えがなされた為、

【陸奥〔みちのく〕に配流せられ畢んぬ。而るに衆徒尚申す旨有り。】
陸奥に流罪されました。しかしながら、衆徒より、なお申し入れがあり、

【仍って配所を改めて対馬の島に追ひ遣〔や〕るべきなり。】
流罪地を改めて離島の対馬に追い払われるべきです。

【当時東国の辺に経回すと云云。】
現在は、東国の何処〔いずこ〕かにいると思われます。

【不日〔ふじつ〕に彼の島に追ひ遣らるべきの由】
日を置かずに彼の島に追い払われるべきであるとの趣旨を

【関東に申さるべく候、】
関東の鎌倉幕府に申し上げてください。

【者〔ていれば〕殿下の御気色に依って執達〔しったつ〕件〔くだん〕の如し。】
そう言う理由で、関白殿下の御意向によって、以上のとおり通達いたします。

【嘉禄三年九月二十六日】
嘉禄3年9月26日 

【参議 在判】
参議 在判

【修理権亮〔ごんのすけ〕殿】
六波羅探題・北条・修理〔しゅりの〕権亮〔ごんのすけ〕・時氏〔ときうじ〕殿へ

【専修念仏の事。京畿〔けいき〕七道に仰せて永く停止せらるべきの由】
(12) 専修念仏の事について、京畿七道に命じて、永く止めさせるべきとの

【先日宣下せられ候ひ畢んぬ。】
宣旨を、先日、下されました。

【而るに諸国に尚其の聞こえ有りと云云。】
しかしながら、諸国に、なお専修念仏を行う者がいるという話があります。

【宣旨の状を守りて沙汰〔さた〕致すべきの由、】
宣旨の書状を守って取り扱うべきとの旨を、

【地頭守護所等に仰せ付けらるべきの由山門訴へ申し候。】
地頭、守護所などに申し付けられるべきであるとの延暦寺の訴えが出ています。

【御下知有るべく候。】
その旨を指図して、いただきたく思います。

【此の旨を以て沙汰申さしめ給ふべきの由殿下の御気色候所なり。】
この趣旨を通達せよというのが、関白〔かんぱく〕殿下の御意向です。

【仍つて執達件の如し。】
よって以上のとおりに通達します。

【嘉禄三年十月十日】
嘉禄3年10月10日

【参議 在判】
参議 在判

【武蔵守〔むさしのかみ〕殿】
武蔵守〔むさしのかみ〕殿へ

【嵯峨〔さが〕に下さるゝ院宣〔いんぜん〕】
(13) 京都市、嵯峨〔さが〕の清凉寺に下された上皇からの命令である院宣

【近曾〔ちかごろ〕破戒不善の輩、厳禁に拘〔かか〕はらず、】
近頃、破戒、不善の念仏者が、厳しく禁止されているにもかかわらず、

【猶専修念仏を企つるの由其の聞こえ有り。】
なお専修念仏を行おうとしているとの話があります。

【而るに先師法眼存日の時、】
ところで、法眼和尚〔ほうげん・かしょう〕の位である先師が存命のとき、

【清涼寺の辺に多く以て止住すと云云。】
清涼寺の近くに、そうした者たちが多く留まり住んでいたといわれています。

【遺跡を相継ぎて若し同意有らば、】
その跡〔あと〕を継いでいたとしても、先師と同じ考えであるならば、

【彼の寺の執務縦〔たと〕ひ相承〔そうじょう〕の理を帯〔たい〕すとも】
たとえ寺の執務を受け継いで、相承の権利を持〔たも〕っているとしても、

【免許の義有るべからざるなり。】
天皇から免許を頂いた意味が蔑〔ないがし〕ろにされているのです。

【早く此の旨を存して禁止せしめ給ふべし。】
早急にこの旨を心得て、禁止させるべきです。

【院宣此くの如し。仍って執達件の如し。】
院宣は、この通りであり、依って以上のとおり通達します。

【建保〔けんぽう〕七年後二月四日】
建保〔けんぽう〕7年2月4日

【按察使〔あぜち〕 在判】
地方行政を監督する按察使〔あんさつし〕 在判

【治部卿〔じぶきょう〕律師御房】
治部〔じぶ〕省の長官・律師・御房

【謹んで請〔う〕く 院宣一紙】
(14) 上皇からの命令である院宣一紙、謹んで承〔うけたまわ〕りました。 

【右当寺四至〔しし〕の内に破戒不善の専修念仏の輩、】
右の院宣のとおり、当寺の境内にいる破戒、不善の専修念仏の者たちについては、

【法に任せて制止あるべく候。更に以て芳心〔ほうしん〕有るべからず候。】
法に基づいて制止されるでしょう。絶対に心を許しては、なりません。

【若し猶寺家の力に拘はらざらん者は事の由を申し上ぐべく候。】
もし、寺の力だけで、それができないのであれば、そのわけを説明すべきです。

【謹んで請くる所件の如し。】
以上のとおり、謹んで承〔うけたまわ〕りました。

【建保七年閏〔うるう〕二月四日】
建保7年2月4日

【権律師良暁〔りょうぎょう〕】
権律師・良暁〔りょうぎょう〕



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