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法華本門宗血脈相承事(本因妙抄) 6.摩詞止観七面の口決
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【摩詞止観七面の口決とは、依名判義、附文元意、寂照一相、教行証、】
摩詞止観七面の口決とは、依名判義、附文元意、寂照一相、教行証、
【六九二識、絶諸思量、出離生死の一面なり已上。】
六九二識、絶諸思量、出離生死の一面なのです。
【伝教大師云はく「一切の諸法は本より已来、不生不滅・性相凝然たり。】
伝教大師は「一切の諸法は本より已来、不生不滅・性相凝然たり。
【釈迦は口を閉ぢ身子は言を絶す」云云。】
釈迦は、口を閉じ、舎利弗は、言葉を絶す」と述べられています。
【是は迹門、天台止観の内証なり。】
これは、迹門であり、天台止観の内証なのです。
【本門日蓮の止観は、釈迦は口を開き文殊は言語す。】
本門である日蓮の止観は、釈迦は、口を開き、文殊は、言葉にするのです。
【迹門不思議不可説、本門不思議可説の証拠の釈是なり。】
迹門不思議不可説、本門不思議可説の証拠の説明とは、このことなのです。
【又三大部に於て一同十異・四同六異之有り。】
また三大部において一同十異・四同六異があります。
【伝教大師仏立寺より之を口決〔くけつ〕す。】
伝教大師が中国天台山の寺院、仏立寺において、これを口決〔くけつ〕したのです。
【一同とは名同なり。】
一同とは、名が同じということです。
【十異とは、名同義異・所依異・観心異・傍正異・用教異・対機異・顕本理異・】
十異とは、名同義異・所依異・観心異・傍正異・用教異・対機異・顕本理異・
【修行異・相承異・元旨異なり。】
修行異・相承異・元旨異のことです。
【四同とは名同・義同・所依同・所顕同なり。】
四同とは、名同・義同・所依同・所顕同のことです。
【六異とは、釈異・大綱網目異・本末異・観心異・教内外観異・】
六異とは、釈異・大綱網目異・本末異・観心異・教内外観異・
【自行化他異是なり。】
自行化他異のことです。
【今要を以て之〔これ〕を言はゞ、】
今、要〔よう〕をもって、これを言えば、
【迹・本・観心同名異義なり。】
迹門・本門・観心とは、同名異義なのです。
【始終本末共に、修行も覚道も時機も感応も皆勝劣なり。】
始終、本末ともに修行にも覚道にも時機にも感応にも、すべてに優劣があるのです。
【此の下二十四番勝劣なり。】
ここからは、天台と日蓮の二十四番〔にじゅうよばん〕の勝劣について著わします。
【一に彼の本門は我が迹門。二に彼の勝は此の劣。】
一.彼の本門は、我が迹門なのです。二.彼の勝は、これの劣なのです。
【三に彼の深義は予が浅義。四に彼の深理は此の浅理。】
三.彼の深義は、これの浅義なのです。四.彼の深理は、これの浅理なのです。
【五に彼の極位は此の浅位。六に彼の極果は此の初心。】
五.彼の極位は、これの浅位なのです。六.彼の極果は、これの初心なのです。
【七に彼の観心は此の教相。】
七.彼の観心は、これの教相なのです。
【八に彼は台星の国に出生し、此は日本国に出世す、】
八.彼は、北斗七星の国に出生し、これは、日の本の国に出世しました。
【九に彼は薬王此は上行。】
九.彼は、薬王菩薩、これは、上行菩薩なのです。
【十に彼は解了の機を利し、】
十.彼は、理解が進んだ機根の者の役に立ち、
【此は愚悪の機を益す。】
これは、愚かで悪賢い機根の者の価値を増加させるのです。
【十一に彼の弘通は台星所居の高嶺なり、】
十一.彼の弘通は、七星が輝いている中国・天台山の高い嶺〔みね〕であり、
【此の弘経は日王能住の高峰なり。】
これの弘経は、太陽が輝く日本の富士の高い峰〔みね〕なのです。
【十二に彼は上機に教へ、此は下機に訓〔おし〕ゆ。】
十二.彼は、上根の機に教え、これは、下根の機に訓〔おし〕えるのです。
【十三に彼は一部を以て本尊と為し、此は七字を以て本尊と為す。】
十三.彼は、一部をもって本尊と為し、これは、七字をもって本尊と為すのです。
【十四に彼は相待〔そうたい〕開会〔かいえ〕を以て表と為し、】
十四.彼は、相待〔そうたい〕開会〔かいえ〕をもって表〔おもて〕と為〔な〕し、
【此は絶待〔ぜったい〕開会を以て表と為す。】
これは、絶待〔ぜったい〕開会をもって表と為すのです。
【十五に彼は熟脱、此は下種。】
十五.彼は、熟脱〔じゅくだつ〕、これは、下種〔げしゅ〕なのです。
【十六に彼は衆機の為に円頓者初縁実相と示し、】
十六.彼は、機根が整った衆生の為に「円頓者初縁実相」と円頓章を勤行で唱え、
【此は万機の為に南無妙法蓮華経と勧む。】
これは、すべての機根の者の為に、南無妙法蓮華経を唱えるように勧めるのです。
【十七に彼は悪口怨嫉、此は遠島流罪。】
十七.彼は、悪口や怨嫉〔おんしつ〕を受け、これは、遠島・流罪にあうのです。
【十八に彼は一部を読誦すと雖も】
十八.彼は、法華経一部を読誦〔どくじゅ〕するといえども、
【二字を読まざるの義之在り、】
相待妙と絶待妙の妙の二文字を読まない問題があるのです。
【此は文々句々悉く之を読む。】
これは、文々句々に、ことごとくに南無妙法蓮華経と読むのです。
【十九に彼は正直の妙法の名を替へて一心三観と名づく、】
十九.彼は、正直の妙法の名前に変えて、一心三観と名づけているのです。
【有りの儘〔まま〕の大法に非ざれば帯権〔たいごん〕の法に似たり、】
ありのままに大法を説いていないので、権教を帯びている法門に似ているのです。
【此は信謗彼此決定成菩提、南無妙法蓮華経と唱へ】
これは、信じる者も謗じる者も、ともに必ず成仏する為に南無妙法蓮華経と唱え、
【懸〔か〕く。】
本門の題目とし、本門の戒壇に本門の本尊として懸〔か〕けるのです。
【二十に彼は諸宗の謬義〔みょうぎ〕を粗〔ほぼ〕書き顕はすと雖も】
二十.彼は、諸宗派の道理に合わない誤った主張を、ほぼ書き顕わすといっても、
【未だ言説せず、】
未〔いま〕だ他師の邪義については、言及せず、
【此は身命を惜しまず他師の邪義を糾〔ただ〕し三類の強敵を招く。】
これは、身命を惜しまず、他師の邪義を糾〔ただ〕し、三類の強敵を招くのです。
【廿一に彼は安楽普賢の】
二十一.彼は、安楽行品・普賢品の
【説相に依り、】
摂受〔しょうじゅ〕を本とする説相に依〔よ〕り、
【此は勧持不軽の行相を用ゆ。】
これは、勧持品・不軽品の折伏〔しゃくぶく〕を本とする行相を用いるのです。
【廿二に彼は一部に勝劣を立て、此は一部を迹と伝ふ。】
二十二.彼は、一部に勝劣を立て、これは、一部を迹と伝えるのです。
【廿三に彼は応仏の域を引かふ、此は寿量品の文底を用ゆ。】
二十三.彼は、随他意の仏の域を超えず、これは、寿量品の文底を用いるのです。
【廿四に彼は応仏昇進の自受用報身の一念三千・一心三観、】
二十四.彼は、応仏〔おうぶつ〕昇進の自受用報身の一念三千・一心三観であり、
【此は久遠元初の自受用報身無作本有の妙法を直ちに唱ふ。】
これは、久遠元初の自受用報身・無作本有〔ほんぬ〕の妙法を直ちに唱えるのです。
【此等の深意は迹化の衆普賢・文殊・観音・薬王等の大菩薩にも】
これらの深意は、迹化の衆である普賢菩薩・文殊菩薩・観音菩薩・薬王菩薩にも
【付嘱せざる所の大事なれば知らざる所の秘法なり。】
付嘱しない大事であれば、知ることができない秘法なのです。
【況んや凡師に於てをや。】
まして、普通の者では、とても知ることはできないのです。