日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


法華本門宗血脈相承事(本因妙抄) 5.多宝塔中面授口決


(この頁から段落があります)

【問うて云はく、本迹殊〔こと〕なりと雖も不思議一なり。】
それでは、質問しますが、本迹が違うと言っても不思議に一なのです。

【本迹の教に於て別して不思議の観理を顕はすが故にと云云。】
本迹の教において、別して不思議の観理を顕わすが故に、と言われています。

【機情に約すれば】
衆生の機根〔きこん〕をもとに考えるならば、

【本迹に於て久近の異なり有るべし。】
本迹において久遠つまり久遠実成と、近成つまり始成正覚の違いがあります。

【是〔これ〕一往の浅義なり。内証に約して之を論ずれば】
これは、一往の浅い教義なのです。内証に約して、このことを論じるならば、

【勝劣有るべからず、再往の深義は不思議一と云云。】
このことに優劣はないのです。結論を述べると、その深義は、不思議一なのです。

【如何が意得べけんや。】
このことを、どのように考えれば、良いのでしょうか。

【答へて云はく、住教顕観は煩悩即菩提、住教非観は法性寂然、】
それに答えると、このことは、住教顕観は、煩悩即菩提、住教非観は、法性寂然、

【覆教顕観は名字判教、住教用観は不思議一、住観用教は以顕妙円と申す】
覆教顕観は、名字判教、住教用観は、不思議一、住観用教は、以顕妙円という、

【大事是なり。教観不思議天然本性の処に、】
非常に大事なことなのです。教観不思議・天然本性の久遠元初において、

【独一法界の妙観を立つ。】
自受用報身如来の文底独一本門の独一法界の妙観を立てるのです。

【是を不思議の本迹勝劣と云ふ。】
これを不思議の本迹勝劣と言うのです。

【亦絶待不思議の内証、不可得言語道断の勝劣は、天台・妙楽・伝教の】
また絶待・不思議の内証、不可得・言語道断の勝劣は、天台・妙楽・伝教の

【残したまふ所の、我が家の秘密、観心直達の勝劣なり。】
残された所の天台宗の秘密、観心直達〔じきたつ〕の勝劣なのです。

【迹と云ふ名は有りと雖も、有名無実・】
迹門という名前は、あるのですが、名前だけあって、その実体がなく、

【本無今有の迹門なり。】
久遠実成の本因がなく、迹門の始成正覚の現在だけがあるのです。

【実に不思議の妙法は唯寿量品に限る、故に不思議一と釈するなり。】
実に不思議の妙法は、ただ寿量品に限るのです。それ故に不思議一というのです。

【迹門の妙法蓮華経の題号は、本門に似たりと雖も】
迹門の妙法蓮華経の題名は、本門の題目に似ているといっても、

【義理天地を隔〔へだ〕つ、】
その義や理においては、天と地のように隔〔へだ〕たりがあり、

【成仏も亦水火の不同なり。】
また、成仏についても、水と火のように、まったく同じではないのです。

【久遠名字の妙法蓮華経の朽木〔くちき〕書きなる故を顕はさんが為に】
久遠・名字の妙法蓮華経の下書きであることを顕わす為に、

【一と釈すなり。末学等疑網を残すこと勿れ。】
一と説明しているのです。これを学ぶ者は、このことに疑問を残してはなりません。

【日蓮霊山会上多宝塔中に於て、】
このことは、日蓮が霊山会〔りょうぜんえ〕の上において、多宝塔の塔の中で、

【親〔まのあた〕り釈尊より直授し奉る秘法なり。】
目の前で釈迦牟尼仏より、直接、授けられた秘法なのです。

【甚深甚深、秘すべし秘すべし、伝ふべし伝ふべし。】
このことは、甚深の法門であり、また、秘すべきであり、伝えるべきなのです。



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