日蓮正宗法華講開信寺支部より

御書研鑚の集い 御書研鑽資料


主師親御書(下)


【又法華経より外の一切経を空に浮かべて、文々句々阿難尊者の如く覚〔おぼ〕へ】
また法華経以外の他の一切経を暗誦し、その言葉一つ一つを阿難尊者のように覚え、

【富楼那〔ふるな〕の弁舌の如くに説くとも其れを難事とせず。】
富楼那〔ふるな〕のように説くことも、それほど難しいことではないのです。

【又須弥山〔しゅみせん〕と申す山は十六万八千由旬の金山にて候を、他方世界へ】
また須弥山と言う山は、十六万八千由旬の鋼のような山ですが、それを別世界へ

【つぶて〔礫〕になぐる者ありとも難事には候はじ。】
石のように投げる者がいても、それほど難しいことではありませんが、

【仏の滅度の後、当世末代悪世に法華経を有りのまゝに能く説かん、】
仏の滅後の末法・悪世において、法華経をその、教えのままに説くことは、

【是を難〔かた〕しとすと説き給へり。五天竺第一の大力なりし】
難かしいことであると説かれているのです。インド大陸一の力の持ち主であった

【提婆達多も、長〔たけ〕三丈五尺広〔はば〕一丈二尺の石をこそ仏になげかけて】
提婆達多も、長さ、10メートル、幅、360センチの石を仏に投げたのであり、

【候ひしか。又漢土第一の大力、楚〔そ〕の項羽〔こうう〕と申せし人も、】
また、中国一の力の持ち主であった、楚〔そ〕の項羽〔こうう〕と言う人も、

【九石〔こく〕入りの釜に水満ち候ひしをこそ、ひさ〔堤〕げ候ひしか。】
釜に1.3トンの水を満たして、持ち上げたと言われていますが、

【其れに是は須弥山をば投〔な〕ぐる者は有りとも、此の経を説の如く】
ここでは、たとえ須弥山を投げる者がいたとしても、この法華経を教えの通りに

【読み奉らん人は有りがたしと説かれて候に、人ごとに此の経をよみ】
読む人は、いないと説かれているのです。それを人々が、この法華経を読んだとか、

【書き説き候。経文を虚言に成〔な〕して当世の人々を皆】
書いたとか、説いたと言うのであれば、経文は、嘘であって、現在の人々をすべて

【法華経の行者と思ふべきか。能く能く御心得有るべき事なり。】
法華経の行者と思うべきなのでしょうか。よくよく考えなければ、ならない事です。

【五の巻提婆品〔だいばほん〕に云はく「若し善男子善女人有って、妙法華経の】
法華経の第五巻、提婆達多品には「もし善男子、善女人があって、妙法華経の

【提婆達多品を聞いて、浄心に信敬して疑惑〔ぎわく〕を生ぜざらん者は、】
提婆達多品を聞いて、浄い心で信じ敬い、疑惑を起こさない者は、

【地獄餓鬼畜生に堕〔お〕ちずして十方の仏前に生ぜん」と。】
地獄、餓鬼、畜生には、堕ちず、十方の仏前に生まれる」と説かれています。

【此の品には二つの大事あり。一には提婆達多と申すは】
この品には、二つの大事があります。一には、提婆達多と言うのは、

【阿難尊者には兄、斛飯王〔こくぼんのう〕には嫡子〔ちゃくし〕、】
阿難尊者の兄であり、斛飯王〔こくぼんのう〕には皇位継承者であり、

【師子頬王〔しし・きょうおう〕には孫、仏にはいとこ〔従弟〕にて有りしが、】
師子頬王〔しし・きょうおう〕の孫、釈迦牟尼仏の従弟であったが、

【仏は一閻浮提第一の道心者にてましましゝに怨〔あだ〕をなして、】
仏が一閻浮提第一の求道者であったことを怨〔あだ〕んで、

【我は又閻浮提第一の邪見放逸〔ほういつ〕の者とならんと誓ひて、】
自らは、閻浮提第一の邪見、放逸〔ほういつ〕の者となろうと誓い、

【万〔よろず〕の悪人を語らひて仏に怨をなして】
多くの悪人を誘って仏に怨〔あだ〕んで、

【三逆罪を作りて現身に大地破〔わ〕れて無間大城〔むけん・だいじょう〕に】
三逆罪を作った為、大地が破れて生きながら無間地獄に

【堕〔お〕ちて候ひしを、天王如来と申す記莂〔きべつ〕を授けらるゝ品にて候。】
堕ちていたのに、天王如来と言う記別を授けられた品なのです。

【然れば善男子と申すは、男此の経を信じまひらせて聴聞するならば、】
それ故に善男子と言われるように、男が法華経を信じて聴くならば、

【提婆達多程の悪人だにも仏になる。まして末代の人はたとひ】
提婆達多のような悪人でさえ仏になるのです。まして末法の人々は、

【重罪なりとも多分は十悪をすぎず。】
たとえ重罪であるとしても、多くの人は、十悪を過ぎることはないので、

【まして深く持ち奉る人、仏にならざるべきや。】
法華経を深く持〔たも〕つ人が、仏にならないことがあるでしょうか。

【二には娑竭羅竜王〔しゃから・りゅうおう〕のむすめ竜女と申す八歳の】
二には、娑竭羅竜王〔しゃから・りゅうおう〕の娘の竜女というのは、八歳の

【くちなは〔小蛇〕仏に成りたる品にて候。此の事めづらしく貴き事にて候。】
小さな蛇であり、それが仏と成る経文なのです。これは、珍しく貴いことなのです。

【其の故は華厳経には「女人は地獄の使ひなり、能く仏の種子を断ず、】
その故は、華厳経には「女性は、地獄の使いであり、よく仏種を断じる。

【外面〔げめん〕は菩薩に似て内心は夜叉〔やしゃ〕の如し」と。】
外面は、菩薩に似て、内心は、夜叉のごとし」とあります。

【文の心は女人は地獄の使ひよく仏の種をたつ。】
文章の意味は、女性は、地獄の使いであり、よく仏になる種子を断つ。

【外面は菩薩に似たれども内心は夜叉の如しと云へり。】
外面は、菩薩に似ていますが、内心は、夜叉のようであるという事なのです。

【又云はく、一度女人を見る者はよく眼〔まなこ〕の功徳を失ふ。】
また宝物集・下巻には「一度、女性を見る者は、眼の功徳を失い、

【設〔たと〕ひ大蛇〔だいじゃ〕をば見るとも女人を見るべからずと云ひ、】
もし、大蛇を見ることがあっても、女性を見てはならない」とあります。

【又有る経に云はく「所有〔しょ・う〕の三千界の男子の諸の煩悩を合はせ集めて】
また、ある経には「所有の三千界の男子の諸の煩悩〔ぼんのう〕を合わせ集めて

【一人の女人の業障〔ごうしょう〕と為す」と。三千大千世界に】
一人の女人の業障とする」と説かれており、三千大千世界の

【あらゆる男子の諸の煩悩を取り集めて女人一人の罪とすと云へり。】
あらゆる男子の多くの煩悩を寄せ集め、女性一人の罪業とするとあります。

【或〔ある〕経には三世の諸仏の眼は脱〔ぬ〕けて大地に堕つとも、】
ある経には「三世の諸仏の眼が大地に堕ちることがあっても、

【女人は仏に成るべからずと説き給へり。】
女性が仏に成ることはない」と説かれています。

【然るに此の品の意は畜生たる竜女だにも仏に成れり。】
この提婆達多品の意味は、畜生である竜女でさえ仏に成ったと言うことであり、

【まして我等は形の如〔ごと〕く人間の果報なり。彼が果報にはまされり。】
まして女性は、形を見れば、人間そのものであり、畜生の竜女に優っているのです。

【争〔いか〕でか仏にならざるべきやと思〔おぼ〕し食〔め〕すべきなり。】
それで、どうして女性が仏に成れないことなどあるでしょうか。

【中にも三悪道におちずと説かれて候。】
中でも、法華経には、地獄、餓鬼、畜生の三悪道に堕ちないと説かれているのです。

【其の地獄と申すは八寒八熱乃至八大地獄の中に、】
その地獄と言うのは、八寒地獄、八熱地獄のことであり、その八大熱地獄の中で、

【初め浅き等活地獄〔とうかつ・じごく〕を尋ぬれば此の一閻浮提の下】
初めの浅い等活〔とうかつ〕地獄を尋ねると、この世界の下、

【一千由旬〔ゆじゅん〕なり。其の中の罪人は互ひに常に害心をいだけり。】
一千由旬の所にあります。その中の罪人は、常に互いに相手を殺害する心を持ち、

【もしたまたま相見れば猟師が鹿〔かせぎ〕にあへるが如し。】
もし、相手を見ることがあれば、猟師が鹿と出会ったようなもので、

【各々鉄の爪を以て互ひにつかみさく。血肉皆尽きて】
互いに鉄の爪を使って身体を引き裂き合い、その結果、血肉も皆尽きて、

【唯残りて骨のみあり。或は獄卒、棒を以て頭よりあなうら〔足裏〕に至るまで】
ただ、骨ばかりが残るのです。また、獄卒が、棒をもって頭から足首にいたるまで

【皆打ちくだく。身も破れくだけて猶沙〔いさご〕の如し。】
皆、打ち砕き、身が破れ、砕けて砂のようになるのです。

【焦熱なんど申す地獄は譬へんかたなき苦なり。鉄城】
焦熱地獄などと言うのは、譬えようのないほどの苦しみで、鉄の城壁が

【四方に回〔めぐ〕りて門を閉ぢたれば力士も開きがたく、】
四方を囲んでおり、門を閉じれば、どんな力持ちでも開けることは、難しく、

【猛火高くのぼって金翅〔こんじ〕のつばさもかけ〔翔〕るべからず。】
猛火が高く上って、金翅鳥〔こんじちょう〕の翼でも、その上を飛ぶことはできず、

【餓鬼道と申すは其の住処に二あり、一には地の下五百由旬の】
餓鬼〔がき〕道と言うのは、その住所に二か所があり、一には地の下、五百由旬の

【閻魔王宮〔えんま・おうぐう〕にあり。二には人天の中にもまじって】
閻魔〔えんま〕王宮にあり、二には、人間界や天上界の中にも交わっています。

【其の相種々なり。或は腹は大海の如く、のんどは鍼〔はり〕の如くなれば、】
その姿は、種々、ありますが、腹は、大海のように膨れ、喉は、針のように細く、

【明けても暮れても食すともあ〔飽〕くべからず。】
明けても暮れても、食べ続けていても、それで満足することができません。

【まして五百生七百生なんど飲食〔おんじき〕の名をだにもきかず。】
まして、五百生や七百生の間、飲物、食物がなく、その名前さえ聞かないのです。

【或は己が頭をくだきて脳〔なづき〕を食するもあり。】
あるいは、自分の頭を砕いて、その中の脳を食べてしまう者もおり、

【或は一夜に五人の子を生みて夜の内に食するもあり。】
また、一夜に五人の子を産んで、その夜のうちに食べてしまう者もいます。

【万〔まん〕の果林〔かはやし〕に結ぶ、取らんとすれば悉〔ことごと〕く】
多くの果実が実っていますが、それを取ろうとすると、ことごとく

【剣〔つるぎ〕の林となり、万水海に入る、飲まんとすれば】
剣の林となり、たくさんの川が大海に流れていますが、それを飲もうとすると、

【猛火となる。如何にしてか此の苦をまぬかるべき。】
猛火となるのです。どのようにすれば、この苦しみを逃れる事ができるでしょうか。

【次に畜生道と申すは其の住所に二あり、根本は大海に住す、】
次に畜生道と言うのは、その住所に二か所あるのです。基本は、大海に住み、

【枝末〔しまつ〕は人天に雑〔まじ〕はれり。短き物は長き物にのまれ、】
一部は、人間界や天上界に交わっています。身体の短い物は、長い物に呑まれ、

【小さき物は大いなる物に食はれ、互ひに相食〔は〕んでしばらくもやすむ事なし。】
小さい物は、大きい物に食べられて、互いに食べ合い少しも休むことがありません。

【或は鳥獣と生まれ、或は牛馬と成りて重き物をお〔負〕ほせられ、】
あるいは、鳥や獣と生まれ、または、牛や馬となって、重い物を担〔かつ〕がされ、

【西へ行かんと思へば東へや〔遣〕られ、東へ行かんとすれば西へやらる。】
西へ行こうと思っても、東へやられ、東へ行こうとしても、西へやられるのです。

【山野に多くある水と草をのみ思ひて、余は知るところなし。】
山や野に多くある水と草のことばかり思って、他のことは、何もわかりません。

【然るに善男子善女人此の法華経を持ち、南無妙法蓮華経と】
しかるに仏教を信じる男性、女性が、この法華経を持〔たも〕ち、南無妙法蓮華経と

【唱へ奉らば、此の三罪を脱〔まぬか〕るべしと説き給へり。】
唱えるならば、この地獄、餓鬼、畜生を脱れることができると説かれたのです。

【何事か是にしかん、たのもしきかな、たのもしきかな。】
これ以上のことがあるでしょうか。実に有難く、頼もしいことです。

【又五の巻に云はく】
また、法華経・第五巻の提婆達多品には、即身成仏の姿を示した竜女が

【「我大乗の教を闡〔ひら〕いて、苦の衆生を度脱〔どだつ〕せん」と。】
「我、大乗の教えを説いて、苦しみの衆生を救済する」と述べたと説かれています。

【心は、われ大乗の教をひらいてとは法華経を申す。】
この意味は「我、大乗の教えを説いて」と言うのは、法華経を説くことであり、

【苦の衆生とは地獄の衆生にもあらず、餓鬼道の衆生にもあらず、】
「苦しみの衆生」とは、地獄界の衆生でもなく、餓鬼界の衆生でもなく、

【只女人を指して苦の衆生と名づけたり。】
ただ、女性のことを「苦しみの衆生」と名づけたのです。

【五障〔しょう〕三従〔じゅう〕と申して、三つしたがふ事有りて、】
五障三従といって、親と夫と子の三人に、心ならずも従わなければならず、

【五つの障〔さわ〕りあり。】
梵天、帝釈、魔王、転輪聖王、仏身に成れないという五つの障りがあるのです。

【竜女は、我〔われ〕女人の身を受けて女人の苦をつみしれり。】
竜女は、自分が女性の身を受けて、これらの女性の苦しみを理解できたのです。

【然れば余をば知るべからず。女人を導かんと誓へり。】
それ故に他の事は、ともかくとして、女性を導びき、成仏させようと誓ったのです。

【南無妙法蓮華経。南無妙法蓮華経。】
南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。

【日蓮 花押】
日蓮 花押



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